株式会社蔵楽は、2026年9月にマレーシアへ日本酒市場を視察しました。
マレーシアの日本酒事情についてデータや現地で撮影した写真とともに、日本食や日本酒がどのようにマレーシアの人々に親しまれているのか現地での写真と共にご紹介いたします。
①数字で見るマレーシアの日本酒市場
日本酒海外輸出の状況を見ると2025年(1月~12月)の総額はFOBベースで 約459億円で前年を上回りました。
輸出全体としてはこの10年間で約6倍の規模になっており、非常に盛り上がりを見せています。
【資料①】2025年の輸出国別におけるマレーシアの日本酒輸出ランキング

東南アジアにおいてマレーシア向けは日本酒市場を順調に伸ばしており、2025年の輸出額ベースでは世界13位となっています。
東南アジアにおいては、シンガポール、タイ、ベトナムに次ぎ第4位です。
【資料②】2025年マレーシアの日本酒輸出
マレーシアにおいては日本酒の輸出量は、コロナ禍における在庫調整などがあったものの、堅調に右肩上がりに推移をしています。

【資料③】マレーシアの日本食レストラン数
マレーシアでは、日本料理の人気が高まっており、マレーシア資本の和食レストランの参入しています。日本食は特別なものではなく、一つのジャンルとしてマレーシアの食文化に浸透をしています。

②マレーシアのお酒事情
マレーシアは人口約3,400万人を擁する東南アジアの多民族・多宗教国家であり、マレー系、中華系、インド系など、さまざまな民族が共存しています。
国民の約6割がイスラム教徒であり、イスラム教では原則として飲酒が禁じられています。
一方で、中華系住民を中心とした非イスラム教徒や外国人駐在員など、お酒を楽しむ人々も一定数存在します。特に首都クアラルンプールでは、日本食レストランや中華料理店、バー、ホテルなどを中心に酒類市場が形成されています。また、夜の屋台街では、食事を楽しむイスラム教徒と、お酒を楽しむ人々が同じ空間に共存する光景も見られ、多民族国家ならではの飲酒文化が特徴的です。
インドネシアと比較すると、飲酒をする人と飲まない人同じ空間で共存、同じ店舗で食事を共にする場面が非常に印象的でした。
特にクアラルンプールのアロー通りにて、イスラム教徒と非イスラム教徒が分け隔てなく、食事を楽しむ姿が印象的でした。

③小売
01、The Sakaya
中心地”KLCC”に位置する酒屋。日本酒だけではなく焼酎の取り揃えも豊富で、比較的新しい銘柄も豊富でした。

◆The Sakaya◆
https://maps.app.goo.gl/qYWbDPxc1hn7SSnW7
02、Jaya Grocer
ららぽーと・クアラルンプールにある「ジャヤ・グローサー (Jaya Grocer)」内のお酒売り場です。非常に多くの銘柄がラインナップされており、日本酒だけではなく、ワインや焼酎などあらゆるお酒が取り揃えられていました。

◆LaLaport ◆
https://maps.app.goo.gl/TPv3WTrA7Nru2wvk8
03、ISETAN
伊勢丹の中の酒売り場コーナー。
ノンハラル(ハラル以外のもの)として、コーナーが区切られており、肉などと一緒にお酒が販売されていました。

◆ISETAN Kuala Lumpur◆
https://maps.app.goo.gl/QzybJvqTtXurJHx47
④飲食店
01、Tokyo Street
クアラルンプールの中心地、パビリオン内の「TokyoStreet」には、寿司、お好み焼き、ラーメンなどさながら小さな日本のように和食レストランがひしめいていて、多くのマレーシア人が楽しんでいたのが印象的でした。

◆Tokyo Street◆
https://www.pavilion-kl.com/store-precinct/tokyo-street/
02、Robataya Izakaya Japanese Restaurant
ローカルが運営するレストランで、スタッフも全てマレーシア人です。
「炉端」と言いつつも、寿司や焼き鳥など一通りの日本食を楽しむことができます。特にロール寿司がローカルならではの発展を遂げていて「牛肉鉄板ロール」や「ゆずチーズロール」など、何種類ものオリジナルメニューがありました。

◆Robataya Izakaya Japanese Restaurant◆
https://maps.app.goo.gl/cvskktFkZxbkMYvX8
尚、お酒の価格は、角ハイボールが約1360円(35リンギット)、日本酒が300mlで約2,200円(58リンギット)でした。ロール寿司が1800円くらいなので、物価水準と比較すると極端に高い印象はありませんでした。
⑤最後に
今回のマレーシア視察で特に印象的だったのは、インドネシア同様イスラム教徒が多数を占める国でありながら、力強い飲酒文化を感じました。
日本食が想像以上に浸透をしていて、一つのジャンルとしてしっかりと確立していました。単純な飲食店の数だけでは見えない、根強い活気があると感じました。
また、販路も豊富で、日本酒専門店やスーパーでは豊富な銘柄が取り扱われ、ISETANではノンハラルコーナーにお酒が陳列されるなど、多民族国家ならではの販売環境が形成されていました。
ローカル資本の居酒屋では独創的なロール寿司が提供されており、日本食が現地の嗜好に合わせて独自の進化を遂げていることも印象的でした。
今後も成長が感じられる非常に興味深いマーケットです。
蔵楽では、今後も現地市場の動向を継続的に調査し、日本酒の新たな輸出機会を探ってまいります。プロ向けの深いレポートを作成しておりますので、興味のある方は是非お問い合わせください。

