【今週のお酒ニュースまとめ】26年10月14日~10月20日号

メルマガ先行でお送りしている、東南アジア3か国(インドネシア・マレーシア・フィリピン)の報告シリーズ。
今回はラスト、フィリピンについてメルマガ読者先行でレポートをお伝えしています!

先週のマレーシアレポートは本HPに公開しました!コチラからご覧ください!

それでは今週の日本酒NEWSです🍶✨

🍶トピック🍶
①「吟醸造り」が重要無形文化財認定。農口尚彦氏が日本酒杜氏初の「人間国宝」に。
②上川大雪酒造、網走に3つ目の酒蔵「北緯44度」を開設
③「鳳凰美田」の小林酒造、日光にウイスキー蒸留所を開設

①.「吟醸造り」が重要無形文化財認定。農口尚彦氏が日本酒杜氏初の「人間国宝」に。(詳細はコチラ)

 重要無形文化財の新分野として「生活文化」から「吟醸造り」が新たに認定されました。これに伴い、70年以上にわたり酒造りに情熱を注いできた杜氏の農口尚彦が、その保持者として日本酒業界では初となる「人間国宝」に選ばれました。

人間国宝の農口尚彦杜氏

農口杜氏は、吟醸酒が主に鑑評会などに出品するための特別な酒だった時代から、一般市場への販売に取り組み、吟醸酒の名声を高めてきました。昭和50年代以降に広がった吟醸酒ブームを牽引した一人としても知られています。その技術を高度に体得し、長年にわたって磨き続けてきたこと。さらに、多くの杜氏を育て、技を次の世代へと伝えてきたことも、今回の認定につながる重要な功績です。
 農口杜氏は「自分が造りたい酒に固執するのではなく、飲む人の声を聞きながら、その時代の旨い酒を造っていきたいと思っています。日本酒は可能性を秘めています。私は、日本酒をもっともっと“世界の酒”にしていきたいんです。」と語っています。

 2024年の「伝統的酒造り」のユネスコ無形文化遺産登録に続き、今回は「吟醸造り」が重要無形文化財に指定され、農口尚彦氏が日本酒杜氏として初めて人間国宝に認定されました。
私も以前、農口尚彦研究所を訪問したことがありますが、長年にわたり蓄積されてきた膨大な酒造りの記録と、その技術と歴史の積み重ねには圧倒されました。データを蓄積・活用することの重要性と同時に、データだけでは捉えきれない職人の経験や感覚の大切さを改めて感じたことを覚えています。
今回の認定をきっかけに、日本酒の味わいだけでなく、その背景にある職人の技術や文化的価値にも、国内外からさらに注目が集まることを期待しています。

②.上川大雪酒造、網走に3つ目の酒蔵「北緯44度」を開設(詳細はコチラ)

 上川大雪酒造株式会社(北海道)は、北海道網走国定公園・天都山に新設した酒蔵「北緯44度」において、令和8年10月15日付で清酒製造免許を取得しました。これを受け、オホーツク管内では約半世紀ぶりとなる待望の日本酒製造が始まります。

北海道網走国定公園・天都山に新設した酒蔵「北緯44度」

 3つ目の製造拠点となる網走市「北緯44度」は、地元自治体や周辺地域、網走刑務所との連携による「網走木桶プロジェクト」を通じた受刑者の社会復帰支援(木桶製作) など、地域資源と人々の想いを結集して生まれました。
 杜氏には前「碧雲蔵」杜氏の安藤宏幸が就任。消えゆく木桶文化の継承と社会復帰支援に取り組みながら、この地で永く愛され根づいていく上質な地酒造りを目指していくとのことです。なお、新酒蔵で醸される最初の日本酒(初出荷)は、令和8年12月頃を予定しています。

 上川大雪酒造は、上川町、帯広市、そして今回の網走市と、北海道内の異なる地域に酒蔵を展開しています。
注目したいのは、網走刑務所と連携した「網走木桶プロジェクト」です。伝統的な木桶による酒造りと、受刑者の社会復帰支援を組み合わせることで、地域資源の活用、伝統技術の継承、社会課題への対応を一体的に進めています。
単に酒蔵を増やすのではなく、それぞれの地域と連携しながら、その土地ならではの酒造りを展開している点が上川大雪酒造の特徴です。網走の新酒蔵が今後どのような日本酒を生み出していくのか、注目したいと思います。

③.「鳳凰美田」の小林酒造、日光にウイスキー蒸留所を開設(コチラ)

 日本酒「鳳凰美田」を醸造する小林酒造が栃木県日光市に初となるウイスキーの製造拠点「日光蒸溜所」を新たに完成させました。

日光連山を望む小林酒造の「日光蒸溜所」

 10月5日に開催された開業式典には、酒造関係者だけでなく多くの観光業界の関係者も出席しました。今後は東武鉄道グループなどと連携し観光拠点に育てていきます。東武トップツアーズ(東京都)の百木田社長は日光蒸溜所を「国内外の富裕層を呼び寄せる最高のコンテンツ」と評価しています。
 小林社長の長男で、日光蒸溜所の所長を務める勇輝氏は「日光でウイスキーをつくる意味を長い時間をかけて模索していきたい」と話しています。歴史ある日光で、歴史ある酒蔵の次世代に向けた挑戦が幕を開けました。

 日本酒「鳳凰美田」で知られる小林酒造が、総投資額約16億円をかけてウイスキー蒸留所を開設しました。
注目したいのは、東武グループとの連携です。 鉄道、ホテル、旅行事業などを通じて、国内外の富裕層との幅広い顧客接点を持つ東武グループと連携することで、新たな顧客層の開拓が期待されます。
また、1樽300万円以上のカスクオーナー制度では、商品の販売だけでなく、蒸留所への訪問や継続的な顧客接点を生み出そうとしています。
酒造りの現場を観光資源に変え、顧客との長期的な関係を築く取り組みとして、酒蔵の高付加価値化を考える上でも参考になるモデルだと思います。

😀{先週末は、母校・早稲田大学の「稲門祭」に参加してきました。今回は、早稲田大学出身の酒蔵関係者が集まる「酒造稲門会」の企画として、日本酒業界のトークイベントを開催しました。
第1部では「獺祭」の桜井社長と「新政」の佐藤社長という、日本酒業界を代表するお二人が登壇。第2部では、次世代を担う若手酒蔵経営者3名によるトークセッションが行われました。私は裏方として運営に携わりましたが、世代や立場を超えて、日本酒業界の未来について語り合う場に関われたことを、とても嬉しく思います。酒造稲門会は、昨年発足したばかりの新しい組織です。母校を通じたつながりを活かしながら、日本酒業界を盛り上げる活動をこれからも続けていきたいと思います🍶✨

  • URLをコピーしました!
目次