【レポート】インドネシア日本酒市場の視察のご報告

株式会社蔵楽は、2026年9月にインドネシアへ日本酒市場について視察を行いました。
インドネシアの日本酒事情についてデータと共に、いったい日本食や日本酒がどのようにインドネシアの人々に親しまれているのか現地での写真と共にご紹介いたします。

目次

①数字で見るインドネシアの日本酒市場

日本酒海外輸出の状況を見ると2025年(1月~12月)の総額はFOBベースで 約459億円で前年を上回りました。
輸出全体としてはこの10年間で約6倍の規模になっており、非常に盛り上がりを見せています。

【資料①】2025年のインドネシアの日本酒輸出金額

2025年度 日本酒輸出金額国別TOP30(出典:貿易通関統計より蔵楽が作成)

東南アジアにおいてタイは順調に日本酒市場が拡大をしています。
2025年の輸出額ベースでは世界26位となっています。
また、単価で比較すると、東南アジアにおいては比較的上位に位置しています。

【資料②】2054年のインドネシアの日本酒輸出
過去10年間で見ると約3倍程度にまで市場が拡大をしております。
特にコロナ明けの2022年以降は在庫調整などがあったものの、1億円程度で輸出額が安定しています。

財務省通関統計資料より蔵楽が作成

【資料③】東南アジア一の日本食レストラン数
インドネシアでは、日本料理の人気が高まっており、大手和食レストランチェーンの参入も相まって、ASEANで第1位となる約6580店舗の日本食レストランがあります。

②インドネシアのお酒事情

インドネシアは人口約2億8,000万人を擁する東南アジア最大の人口大国であり、世界最大のイスラム教徒人口を抱える国でもあります。

国民の約9割がイスラム教徒であり、イスラム教では原則として飲酒が禁じられていることから、日本や他の東南アジア諸国と比較して、お酒を飲む文化は限定的です。

一方で、インドネシアは多民族・多宗教国家でもあり、キリスト教徒やヒンドゥー教徒、華人系住民、外国人駐在員など、お酒を楽しむ人々も一定数存在します。特に首都ジャカルタや観光地バリ島では、ホテル、レストラン、バーなどを中心に酒類市場が形成されています。

インドネシアのお酒市場の特徴は、人口規模の大きさに対して飲酒人口が限定されており、地域や顧客層によって需要が大きく異なることです。

インドネシアは、人口の多さをそのまま日本酒の市場規模に結びつけることはできないものの、ターゲットを明確にすることで高付加価値な日本酒を展開できる市場と考えられます。

③小売

①Red & White

ジャカルタのPIK Avenue内にある酒類専門店です。
PIKは中華系インドネシア人や富裕層が多いエリアです。
日本酒とワインが多く並んでいます。

②SAKAYA

日本人街「ブロックM」にある日本酒の立ち飲みバーです。
約1,000円で手軽に飲み比べができると共に、実際に購入もできます。
0次回利用も推奨する面白い店舗です。

飲み比べが楽しめるSAKAYAの外観
3種類約1000円の飲み比べ。品質はかなりフレッシュ

④飲食店

①KINKA

ジャカルタのPIK Avenue内にあるローカル経営の和食レストランです。
中華系の富裕層が多く来場されていました。

KINKA(金貨)入り口


料理は、寿司やとんかつなど様々な和食が楽しめます。
訪問した際は、天ぷらを食べている人が多かったです。

KINKAの店内

お酒の価格帯については、ハイボールが一杯1200円。
本醸造が720mlで8000円くらいで、料理と比較しても手が伸びづらい価格帯でした。

⑤最後に

インドネシアは約2億8,000万人という巨大な人口と東南アジア一の日本食レストラン数を抱える一方、イスラム教徒が多数を占めることから、お酒の市場としては特殊な環境にあります。
また、輸入酒に対する高い税負担や流通規制など、日本酒の輸出先としては決して参入しやすい市場ではないです。

ただし一方で、富裕層や外国人、華人系消費者などを中心に、日本酒を楽しむ市場が存在していることも確認できました。

インドネシア市場は、価格競争力勝負ではなく、日本酒の品質やブランド、食文化との組み合わせなど、付加価値を伝える販売戦略が、他の東南アジア市場と比較してより一層重要になると考えています。

現時点では日本酒市場の規模は限定的ですが、経済成長や富裕層の拡大、日本食文化の浸透などを背景に、今後の展開が期待できる市場の一つです。

蔵楽では、今後も現地市場の動向を継続的に調査し、日本酒の新たな輸出機会を探ってまいります。

インドネシア市場についてはよりプロ向けの深いレポートを作成しておりますので、興味のある方は是非お問い合わせください。

お問い合わせはコチラ
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