株式会社蔵楽は、2023年6月28日(水)~30(金)までベトナム・ホーチミンへ日本酒市場について視察を行いました。
ベトナムの日本酒市場の「現在」について、情報を提供いたしたく本ページにてレポートとしてご報告させていただきます。
1.数字で見るベトナムの日本酒市場
ご存じの通り、日本酒の海外輸出の状況を見ると2022年度(1月~12月)の総額は 474.92億円に達し、金額ベースでは13年連続で前年を上回り、数量ベースでも35,895キロリットルと過去最高を記録しました。
この10年間で約6倍の規模になっており、非常に盛り上がりを見せております。
そんな日本酒の輸出の中でも、特に「熱い」とされているのがベトナムです。
そんなベトナムの状況を、数字で見ていきたいと思います。
【資料➀】対前年比236%!圧倒的に盛り上がるベトナムの日本酒輸出
東アジアにおいて最も日本酒市場が盛り上がっていると言われるのがベトナムです。
実際にベトナムは、2022年の輸出額は世界第9位となっています。
そして、何よりも驚きなのが対前年比236%の成長を示しており、有望な市場として注目をされています。
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データを見るだけでも、その熱量が伝わってきます。
【資料②】高まる日本食人気
ベトナムでは、日本料理の人気が高まっており、寿司、刺身、ラーメンなどの日本食レストランが増えています。
タイに次いでASEANで第2位となる2000店舗の日本食レストランがあります。
この日本食レストランの数が、結果的に日本酒の消費量を押し上げています。
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【資料③】高い経済成長率
経済成長率はコロナ前が平均7%を推移。
足元の2022年でも7%と、コロナ前と同等の数字にまで回復しており、底堅い経済成長率を誇っています。
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今回は、これらのデータを肌で感じるべく、視察を決意しました。
続きまして、実際に足を運んで確認をした日本酒の流通事情のレポートです。
2.ベトナムの流通事情
ここまで数字で見てきたベトナム日本酒市場ですが、実際にどこで売られ、どのように飲まれているか。
この項では、ベトナムにおける日本酒の流通事情について説明をします。
※尚、今回はあくまで実際に訪問したホーチミンに絞ったレポートとなっていますのでご了承ください。
ベトナムにおける日本酒の流通の実情を把握していただくために、日本酒が提供されている場所を、飲食店と小売りとに分けてご紹介いたします。
飲食店編➀~Mua酒造(Mua Craft Sake)~
「Mua酒造(Mua Craft Sake)」は、2022年10月にオープンした日本酒居酒屋です。
ベトナム各地の米を吟味し、国内で醸造を可能ができるようになったとのことで、生酒を飲めるベトナム初の居酒屋になります。
ベトナムの投資家たちが投資し、日本酒の紀土で有名な和歌山の「平和酒造」の技術指導の下でベトナムの地酒が実現しました。
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店舗の最大の特徴は、タップで日本酒を提供するという大変ユニークなお店です。
まるでクラフトビールのお店のようで、既存の日本酒居酒屋のイメージを覆す提供方法でした。
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日本酒は、スタンダードな生酒の他、グァバやパッションフルーツを使用した日本酒もあり、まさにSAKEと呼べる自由なレシピのお酒ばかりでした。
お料理も美味しく、平日でも非常に多くの方が訪れていたのが印象的でした。
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飲食店編②~蔵(KURA/Kaku-Uchi&SAKE Shop)~
日本の角打ちスタイルで日本酒を提供するバー「蔵(KURA)」。
カウンターだけの立ち飲みで、冷蔵にびっしりと並べられた60種以上もある日本酒をワイングラスで各60ml飲みくらべできます。
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日本人の女将さんが丁寧に応対してくれるため、日本人でも安心して訪れることができ、ベトナム事情も色々教えてもらえるので安心して訪れることができます。
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さらに、角打ちの隣の部屋は酒屋で、日本酒すべてを購入することができます。デリバリーもできるとのことです。
飲食店編③~各日本食レストラン~
ベトナムは日本食レストラン、特に寿司屋が多かったです。
刺身ビュッフェを提供するお店もあり、日本食が大変盛り上がっています。
そこでは主に日本の大手の日本酒を楽しむことができます。
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小売り編➀~高島屋~
ホーチミン高島屋のAgataJapanにて、日本酒の販売および角打ちが提供されています。
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SAKEBARもあり、62,000ベトナムドン(約370円)~飲み比べができます。
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その他、地下リカーショップでも日本酒が販売をされていました。
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小売り編②~イオン・ビンタン~
ホーチミンの中心部より車で約30分のビンタンに、日本とほぼ同じサイズのイオンがあります。
ユニクロやマクドナルドなど、ほぼ日本のような専門店が立ち並んでいます。
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もっとも、ベトナム人の往来が多かったのが、イオンの食品売り場です。
日本のように寿司が並んでおり、一貫から購入もできます。
イオンが日本食の発信地であり、ここから日本の文化がベトナム人に浸透をしているように感じました。
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お酒売り場では、日本酒は全種類冷蔵庫に保管がされておりました。
品質管理の高さに感動をしました。
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ベトナム日本酒市場視察の所感
ベトナムにおける日本酒は、想像以上に街中に浸透しており、手の届く範囲にまで来ています。
価格帯としては、生ビールが60,000ドン(=約360円)に対し、100,000ドン(=約600円)とやや高級であるものの、ベトナムの経済発展と共に、富裕層からやがてベトナム人の一般の方の飲み手が増えてくるかもしれないと感じました。
今回、蔵楽社の視察内容を公開させていただきましたが、もっと詳細に知りたい情報があれば、是非お問い合わせください。
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最後までご覧いただきありがとうございました!