【レポート】カンボジア日本酒市場の視察及びイベントのご報告

株式会社蔵楽は、2023年2月25日(土)~3/1(水)までカンボジアへ視察及びイベントに参加しました。
カンボジアの日本酒市場の「現在」について、情報を提供いたしたく本ページにてレポートとしてご報告させていただきます。

1.なぜカンボジアなのか

日本酒の輸出状況

まず、日本酒の海外輸出の状況を見ると2022年度(1月~12月)の総額は 474.92億円に達し、金額ベースでは13年連続で前年を上回り、数量ベースでも35,895キロリットルと過去最高を記録。
この10年間で約6倍の規模になっており、非常に盛り上がりを見せております。

日本酒の輸出実績推移(出典:日本酒造組合中央会)

輸出先にカンボジアを選んだ理由

欧米諸国や東アジアにおいても日本酒市場が盛り上がっている中、なぜカンボジアを選んだのか。
3つの理由をお伝えします。

カンボジアの理由➀ 主食が米

主食が米であるため、日本食・日本酒に対してなじみやすい土壌であると考えました。
実際、日本食レストランは年々増えています。

実際、10年前までは60店舗ほどしかなかった日本食レストランは、 現在250店舗あります。近隣のベトナムと比べ、一人当たりの日本食レストランの数は多いのが現状です。

カンボジアの理由② 低い平均年齢

 歴史的経緯から平均年齢24歳という若年層が中心の国です。
 
実際に、街の中を見るとほとんどが若者でした。
 発展途上ながら全員がスマホで電子決済をしており、力強いエネルギーを感じました。

 また、同じく歴史的経緯から、日本及び日本人に対して強いリスペクトがあります。 

カンボジアの理由③ アフターコロナでも高い経済成長率

経済成長率はコロナ前が平均7%を推移。
コロナ禍を経た足元の2022年でも5%にまで回復しており、成長率ベースではタイを上回っています。

2.カンボジア イベントレポート

 2023年2月27日(木)、日本貿易振興機構(ジェトロ)のプノンペン事務所により、カンボジアでの日本酒の普及を目的とした「日本酒テイスティングイベント」、「天皇誕生日 祝賀レセプション」の2つのイベントが実施されました。
蔵楽は、パートナーであるダイシントレーディング様及び笹祝酒造様と共に、参加及び出展をさせていただきました(以下敬称略)。

➀日本酒テイスティングイベント

日本酒の普及に向けた日本酒テイスティングイベントは、カンボジアの首都プノンペンのローズウッドホテル(5つ星)にて開催されました。


参加した酒蔵は、千古乃岩酒造(岐阜)、笹祝酒造(新潟)、酔鯨酒造(高知)、富久千代(鍋島、佐賀)の4蔵。
ミス日本酒2022の磯部里紗さんも参加しました。

右から千古乃岩酒造(岐阜)、笹祝酒造(新潟)、酔鯨酒造(高知)、富久千代(鍋島、佐賀)(敬称略)


各酒蔵は、5種類のテイスティング用の日本酒を提供。
与えられた20分の時間の中で、自社の紹介と共に、それぞれの日本酒の味わいや背景についてプレゼンテーションをしました。

テイスティング用に4蔵×5種類、合計20種類の日本酒が振舞われました

イベントは、現地の日本食料理店のオーナーやシェフ、ホテル関係者らが招待されました。
普段飲み比べることのない日本酒の数々に興味津々なご様子でした。

様々な日本酒を飲み比べながら興味津々に楽しんでらっしゃいました

②天皇誕生日 祝賀レセプション

同日2月27日(火)夜には在カンボジア日本国大使館主催で、カンボジアの首都プノンペンにある、ホテルカンボジアーナ内のガーデンにて天皇誕生日レセプションが開催されました。

プラック・ソコン副首相兼外務大臣を初め、カンボジア政府要人や各国の外交官、在留邦人など300人強が参加されていた中、天皇陛下の誕生日と併せて日本・カンボジア国交樹立70周年も祝われ、大変煌びやかな会となりました。

プラック・ソコン副首相兼外務大臣(右)

蔵楽は、笹祝酒造のブースにてダイシントレーディングのメンバーと一緒に日本酒を振舞いました。
その場でお酒の感想や、飲んだリアクションを受けることが出来、当社自身も大変良い機会に恵まれました。
このような場にお声掛けいただき、感無量です。

蔵楽社、笹祝酒造、ダイシントレーディングの3社で笹祝の日本酒を振舞いました

3.日本酒の流通事情

帰国後に「カンボジアで、日本酒はどこで売られ、どのように飲まれていますか?」
と言う質問をよく聞かれました。
そこで、この項では、カンボジアにおける日本酒の流通事情についてお話しさせていただきます。

総括すると、基本的には日本の食材が売っているスーパーか、日本料理を提供する飲食店がほとんどで、カンボジア現地のリカーショップや飲食店で売られていることはまずないです。
その為、カンボジアの富裕層や現地の日本人に飲まれることが多いです。

ここでは、カンボジアにおける日本酒の流通の実情を把握していただくために、日本酒が提供されている場所を、小売りと飲食店とに分けてご紹介いたします。

小売り編➀~ジャパンショップ~

ダイシントレーディングが運営する日本食材を販売しているスーパー「ジャパンショップ」。
こちらでは日本から輸入した食材と共に日本酒が販売されています。

日本酒は概ね30~60US$/本で販売されていました。

CHOYAの看板が目印のジャパンショップ

小売り編②~JPバー@イオン3号店~

2022年12月オープンのイオン3号店。
日本のイオンよりもはるかに大きな規模で、その中に日本酒専門バー「JPバー」があります。

2022年12月に完成したイオン3号店

JPバーでは、20種類程度の日本酒が置いてあり、1US$で3種の飲み比べができるのが特徴です。

JPバーでは1US$で3酒の飲み比べが可能

小売り編③~ラッキースーパーマーケット~

現地の高級食材や調味料が販売されている「ラッキースーパーマーケット」。
成城石井やカルディに相当するこちらの店舗でも日本酒が販売されています。

高級スーパー「ラッキースーパーマーケット」

飲食店編➀~日本食レストラン IZA~

5つ星ホテル「ローズウッドホテル」のと同じ建物の中にある日本食レストラン「IZA(いざ)」。
36Fにあり見晴らし抜群で、スタッフのホスピタリティも大変素晴らしかったです。

日本でいうフレンチのような感覚で、カンボジアの方が日本食を楽しんでいるのが印象的でした。

日本食レストランIZAの様子

レストラン内には日本酒用の冷蔵庫があり、日本でもおなじみの銘柄が並んでいました。

IZAの日本酒用冷蔵庫

飲食店編②~日本風居酒屋 型無(カタナシ)~

日本らしさとカンボジアらしさを織り交ぜたオリエンタルな空間の「型無」。
焼き鳥や炙り〆さばなど、焼き物メニューが充実しており、料理のクオリティの高い、ゆったりとくつろげるお店です。

落ち着いた雰囲気の型無(カタナシ)店内

飲食店編③~日本風居酒屋 吉(KICHI)~

ほぼ日本の居酒屋と同じ形態の「吉」。
30種類以上の日本酒と梅酒が楽しめます。
柴漬けや煮物など、日本人好みのメニューが取り揃えられています。

日本食居酒屋「吉」の正面

今回、蔵楽社の視察内容を公開させていただきましたが、もっと詳細に知りたい情報があれば、是非お問い合わせください。
お問い合わせはコチラから。

最後までご覧いただきありがとうございました!



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