【今週のお酒ニュースまとめ】25年10日8日~10月14日号

 先週は大阪出張で、あべのハルカスで開催された「新潟 食と酒の大祭典」に参加いたしました。
新潟の酒蔵28蔵が参加し、「佐渡のお寿司 弁慶」や、「ら~めん処 がんこ屋」など新潟現地のグルメが勢ぞろいしました。
万博最終週ということもあり、大阪の街は非常ににぎわっておりました。
あまり関西に赴く機会はありませんでしたが、東京ほど日本酒専門店が多くなく、まだまだ日本酒が伸びる地域だと感じました。
インバウンドを絡めて、需要の創出をできないか模索していきたいと思います。

それでは今週の日本酒NEWSです🍶✨

🍶トピック🍶
①.獺祭  宇宙用醸造装置を打ち上げへ
②.「食の未来を輝かせる25人」に糀屋三左衛門当主・村井三左衛門さんが選出
③.新幹線専用150ml小瓶日本酒「BULLET SAKE

①.獺祭  宇宙用醸造装置を打ち上げへ(詳細はコチラ

 株式会社獺祭三菱重工業株式会社が共同で開発した宇宙用醸造装置と清酒の原材料が、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の新型基幹ロケット H3ロケット7号機に搭載され、2025年10月21日に種子島より打ち上げられることが決定しました。国際宇宙ステーション(以下、ISS)の「きぼう」日本実験棟での醸造試験は、油井亀美也宇宙飛行士に作業していただくことを目指してJAXAと調整中です。
 獺祭は、将来の月面生活におけるQOL向上を目的とした、月面での酒蔵建造と獺祭の醸造を目指す「獺祭MOONプロジェクト」を2024年より始動しています。
 このミッションで使用される獺祭の原材料(米、麹、酵母、水)と専用の宇宙用醸造装置は、2025年10月21日(火)10時58分頃に種子島宇宙センターからISSへと打ち上げられます。ISS到着後は、醸造装置がセットアップされ、水を注入することで日本酒特有の発酵反応である並行複発酵が始まり、醸造試験を行います。軌道上での試験は打上げ後10日程度でスタートし、およそ2週間にわたって各種データを地上からモニタリングしながら月面重力に相当する1/6G環境下での醸造を行います。

人類初の宇宙空間での清酒醸造を目指しています。

 宇宙で発酵を終えた醪は軌道上にて凍結保管され、早ければ年内に地球への帰還を見込みます。回収後の醪は、地上にて解凍して絞り、完成した清酒の半分は購入者の元へと渡り、残り半分は宇宙醸造サンプルとして各種解析を行い、今後の日本の宇宙産業発展のために役立てられます。

 地球の1/6という重力環境下で、最終的にどのようなお酒ができるのか楽しみです。宇宙醸造ならではの味わいが生まれたら面白いですね!年内に地球に帰還するとのことで、年末が待ち遠しいです!

②.「食の未来を輝かせる25人」に糀屋三左衛門当主・村井三左衛門さんが選出(詳細はコチラ)

 グローバルビジネス誌「Forbes JAPAN」2025年11月号において、創業以来600年種麹(麹菌)を製造販売する株式会社糀屋三左衛門の29代当主の村井三左衛門さんが”食の未来を輝かせる25人”に選出されました。
「食の未来を輝かせる25人」とは、「食を通して、いのちを考える」を掲げる大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「EARTH MART」と「Forbes JAPAN」が連動し、生産者、料理人、起業家から研究者まで、食の未来を輝かせる25人を選出。食の文化を守る人や、テクノロジーで変革する人など、豊かな未来を支えるプレーヤーの共創を目的としています。今回の選出では、発酵文化を産業として再定義し、あらゆる分野で麹の活用を拡大する取り組みが紹介されました。
 

株式会社糀屋三左衛門 29代当主 村井三左衛門さん

 村井三左衛門さんは1979年愛知県豊橋市生まれ。2016年に家業を継ぎ29代当主となっています。2023年より公益財団法人日本醸造協会理事を務めています。近年の活動としては、麹に関する知識を教養として位置づける「麹検定」や、国内外で開催実績のある麹イベント「KOJI THE KITCHEN」など麹文化の発信と次世代への継承活動を積極的に行っています。また、2025年には麹を学問として捉える「Kojinomy」を提唱し、麹文化を多様な分野と結びつけた新たな可能性を模索しています。

 日本酒はもちろん、日本の醸造・発酵文化の根幹となっている麹。いまだに解明が出来ていない部分も多いですが、幅広い分野への応用が見込まれております。現代のテクノロジーと融合することで、新たな市場価値が生まれることが期待されています。

③.新幹線専用150ml小瓶日本酒「BULLET SAKE」(詳細はコチラ)

 日本酒体験サービス「ハンズオンSAKE」は、JR九州承認デザインの新幹線専用小瓶日本酒「BULLET SAKE(バレットサケ)」を、2025年10月8日(水)よりクラウドファンディングサイト「SAKEクラファン」にて公開しています。JR九州より商品化権の使用許諾を取得しており、博多駅での公式販売を目指して進行中です。
 ハンズオンSAKEでは、オンライン酒蔵留学や日本酒に特化したクラファンプロジェクトなどを介して、「人と人が日本酒でつながる場」を創り、ファンと酒蔵をつなぐ取り組みを展開してきました。その中で感じたのは、720mlなどの大瓶では重く、飲み比べやお土産に不向きであることと、ペアリングや飲むシーンが明示されていないという課題でした。「もっと気軽に、もっとわかりやすく、もっと楽しく日本酒に触れてもらいたい」、その想いから生まれたのが、“新幹線特化型小瓶日本酒”という新発想の「BULLET SAKE」となっています。ターゲットを「新幹線で移動するビジネスマンや旅行者」に定め、車内で気軽に楽しめる日本酒、地元のお酒をそのまま渡せる日本酒にこだわって製品開発を進めたそうです。

個性派な新幹線デザイン

 「BULLET SAKE」では、4種類のバリエーションが用意されています。

1. 800系つばめラベル
酒蔵:池亀酒造(福岡)
特徴:木苺のような甘酸っぱさと深み

2. N700系R1編成さくらラベル
酒蔵:基山商店(佐賀)
特徴:ブラッドオレンジのような酸味

3. 明太ごころ
酒蔵:矢野酒造(佐賀)
特徴:明太子との相性抜群な爽やかなキレ

4. ごまさ番長
酒蔵:大里酒造(福岡)
特徴:ごまさばを包み込む旨口ペアリング

 また、本プロジェクトの実現にあたって最大の壁だったのが、“小瓶詰め替え環境の整備”でした。既存の酒蔵設備は720ml以上の生産を前提としており、150mlサイズの展開には自社で小瓶製作場をつくる必要がありました。設立のためには税務署・保健所・酒税法など多くのハードルが存在しますが、これらを一つずつクリアし、自社で詰め替え可能な「小瓶製作所」を新設。ラベル表記、衛生管理、品質保持をすべて自社で管理できる体制を整えています。
 この取り組みは、地域の小規模蔵や新規ブランドにも応用できる“日本酒の新しい生産モデル”として展開するそうです。

 新幹線で飲むお酒、格別ですよね。新幹線というシチュエーションに特化したデザインは大変興味深いです。ペアリングの提案もされており、自分用にもお土産用にも気軽に楽しめそうです。

😀{業界ビジネスチャンネルが更新され、2025年9月5日に行われた「日本の食ビジネスカンファレンス」のパネルディスカッションのダイジェスト版が公開されました。ビジネスシリーズの著者たちが一堂に会し、「日本の食」についてディスカッションをしました。日本酒の輸出の可能性などについてお話をさせていただきましたので、是非、下記よりご覧ください!🍶✨

食に関するビジネス書の著者が集結しました

▶YouTubeはコチラから
https://www.youtube.com/watch?v=VRH73szrSVA

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